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傷に痛くない洗顔料

洗顔の時に指に傷があって痛い思いをした経験はありませんか?
わたしの嫁もそうなのですが、アトピーの方などは、年がら年中指に細かい「傷」を持っておられる場合があります。洗顔はしたいが、指が痛いのが嫌!でも、洗顔しないと・・・。
ソフトな洗顔料として、わたしは弱酸性タイプをお薦めしています。しかし、その弱酸性の洗浄剤を使っても傷口にしみた経験もお有りでしょう。
そういう方に、1つ朗報(?)です。

弱酸性の洗顔料に使われる界面活性剤は、アミノ酸系界面活性剤か、スルホコハク酸ラウレス2Naがよく使われます。
スルホコハク酸ラウレス2Naは、泡質的には石けんに似ています。特徴として、弱酸性で泡立ち、目にも優しいです。
一方、アミノ酸系界面活性剤は、ココイルグルタミン酸Na(K)やココイルグリシンNa(K)、または、ココイルメチルタウリンNaやココイルサルコシンNa(TEA)が有名です。 今回、ご紹介したいのは、ココイルグルタミン酸NaやココイルメチルタウリンNaと、先に述べたスルホコハク酸ラウレス2Naです。いずれも弱酸性という特徴以外に、Na塩タイプです。

実際に、Na塩タイプのココイルグルタミン酸Naと、K塩タイプのココイルグルタミン酸Kで洗顔料を作ってみますと、洗浄の時に、K塩タイプは傷口が痛いのに対して、Na塩タイプは痛みを感じません。洗浄剤を同じNa塩タイプのココイルメチルタウリンNaやココイルグリシンNaに変えても痛みを感じませんが、やはり、ココイルグリシンKに変えると痛みを感じるのです。

これは、確かなデータがある話ではないですし、細かい理由も紹介は出来ません。ただ、多くの処方を組んできた経験上、Na塩タイプは、傷口にしみない!と、思うのです。
因にpHは、アルカリ性ではしみますが、中性から弱酸性ではしみません(Na塩タイプの界面活性剤を使用している場合)

手に絶えず傷を持っておられる方。もしよかったら、お試しになっては如何でしょうか?注意のとして、Na塩タイプとK塩タイプの併用(共に入っている)タイプはしみます!ですから、K塩タイプがしみる原因なのでしょうね。


脱毛のシーズン

人も動物の1種である以上、季節の変動に従った新陳代謝があります。
特に、秋から冬にかけては、自然脱毛の数が多くなるのです。

一般的に、健康な人でも、1日に100本の髪の毛が自然に抜け落ちます。これは、男性、女性に関係なく平均して100本です。

30代を越えますと、男性の髪は細くなり始めます。一般にいう男性型脱毛症の始まりです。男性の場合、髪が細くなるのが「禿げに見える」原因と言われています。

一方、女性の場合、30代に入ると、1日の抜け毛の本数が増えます。女性の「禿げに見える」原因は、髪の本数が減ることと言われています。

また、健康な方でも、秋から冬にかけては、100本以上の抜け毛が観察されます。そして春になると再び100本程度に戻ります。ですから、春先に育毛剤を新発売する場合が多いのです(業界マル秘)。

脱毛を減らす方法の1つは、毎日のシャンプーです。1日に2回もする必要はなりませんが、毎日することをお薦めします。2日に1回って方も多いらしいですが、特に頭皮は皮脂の分泌が激しいので、毎日して下さい。最近のシャンプーは、毎日シャンプーして頂くことを前提に作られていることが殆どです。

その時のポイントは、すすぎの時間を1分程長くすること。また、すすぐ時も頭皮を軽くマッサージすることです。男性、女性に関わらず、どの脱毛症にも関わらず、血行を促進してあげることが第一条件です!

秋のケアが春の美しい髪に繋がりますよ♪


大人のニキビ

資生堂さんには資生堂リサーチセンターなるとこがありまして、様々なリサーチや研究を行っています。
今回は、そこからのデータをご紹介しましょう。

最近は、10代ではなくてもニキビが出来る方が多くなっていますね。以前は「吹き出物」と称されていたモノも「大人のニキビ」と言われるようになってきました。

ニキビが出来るのは、過剰な皮脂アクネ菌が原因と言われています。当然、皮脂量の多い10代では、ニキビに悩む方も多い訳です。
しかし、データをよくよく分析してみますと、実は脂性肌でなくてもニキビになりやすい方が結構おられる事がわかりました。
そこで、10代の方と、20代、30代の方にニキビの原因を質問してみました。結果が、右記の図になります。



これは、先に述べました、資生堂リサーチセンターの北村氏による発表データの一部です。
このデータは約1000人にアンケートした結果らしいです。
10代の群と20代以上の群ではっきりと分布が異なることが分かります。



ニキビを肌の悩みとして意識している女性は10代では50%、20代が35%、30代が20%おられるそうです。20代、30代の内60%近い方が「ニキビができやすい」と回答し、その肌質は、必ずしも脂性肌ではありませんでした。また、ニキビで皮膚医の治療を受けている方は、ニキビを有する人の30%ほどで、多くの方は化粧品や医薬部外品などでセルフケアを行っているようです。

それゆえに、洗顔料に期待されるポイントは大きいでしょう。ニキビ用の洗顔料として、抗菌作用、角栓柔軟及び除去作用、皮脂分泌の抑制、消炎作用を持たせています。しかし、今回の結果からして、大人のニキビと10代のニキビにはちょっと違いがありそうですね。


まつげのお話

昨年からマスカラや目にこだわったメイクが流行っていますね。
サロンや雑誌の外国人タレントさん達の目のなんとパッチリしたことか!
「わたしも、ああなりたい!」
と、思ってメイクを頑張ってもなかなか同じようにはありませんね。
「外国の方やモデルの方と、わたしってどう違うの?」
そう思わざる得ませんね。
そこで、今回は、まつげのお話です。

資生堂というところは、色々調査を行っているところでまつげの調査なども行っています。
資生堂の高橋氏の発表に、欧米人とアジアの目つげを比較した報告があります。それによりますと、

欧米人 日本人
まつげの量 135本 105本
まつげの長さ 8.1mm 6.8mm
まつげの向き 上向き(+15.8°) 下向き(-5.9°)

だそうです。

これはあくまでも平均で、日本人の30%程はまつげは長い部類であり、40%程が多い部類に入ります。ただ、上向きの方は、20%にもみたないらしいです。

やはり、体形が違うように、モノが違うのですね。
でも、そこをどうにかするのが化粧品のお仕事!最近では、此の手のメイク術が雑誌でももてはやされています。
ただ、目の周りは、非常に敏感な部位でもあります。アイシャドウなどもまつげの内側に塗られる方もおられるそうですが、十分に注意して頂きたいですね。


しっとりタイプの洗顔料を斬る

うるおいを謳っている洗顔料が最近多いですね。では、いったいどんな洗顔料なのでしょうか?
今回は、資生堂のパーフェクトホイップと、アスプリールクレンジングフォームを比較してみましょう。

まずは、パーフェクトホイップの全成分です。

ステアリン酸カリウム
ポリエチレングリコール:発泡を助けます。
ミリスチン酸カリウム
グリセリン
ラウリン酸カリウム
DPG(ジプロピレングリコール)
ステアリン酸
BG(ブチレングリコール)
ステアリン酸グリセリル(SE):乳化剤です。
ミリスチン酸
ラウリン酸
ポリクオタニウム-7:旧名を塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体といい、合成の高分子。
ミツロウ
ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)
エデト酸:金属キレート剤。つっぱりやきしみの防止剤です。
香料


主剤としては、ステアリン酸やミリスチン酸、ラウリン酸のカリウム石けんですね。もろアルカリ石けんタイプです。
しっとり感を出しているのは、ミツロウやラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)あたりでしょうか?泡を細かくしているのは、ミリスチン酸カリウムの特長に加えて、ポリクオタニウム-7が働いているのでしょう。
トータル的には、泡質を細かくすることで、「しっとりとしたイメージ」を与えているだけのように見えます。また、油性の成分が肌に付くことでしっとり感を感じさせているのでしょう。
世の中の8割のしっとり洗顔は、これと同じような方法で「しっとり感」を与えています。
でも、・・・これって本当にしっとりを使いたい人の要望にこたえているのでしょうか?
しっとりを洗顔に求める方は、肌バリアが弱く、洗浄でバリア機能が低下してしまう方だと思うのです。

では、今度は、同じ資生堂のアスプリールクレンジングフォームです。


ココイルメチルタウリンナトリウム:アミノ酸系界面活性剤
ポリエチレングリコール
グリセリン
塩化ナトリウム
メチルタウリンナトリウム:アミノ酸系界面活性剤
イソステリン酸PEG-20:乳化剤的な働き。
クエン酸
ベヘン酸:脂肪酸
トレハロース
ポリクオタニウム-6:旧名を塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体といい、合成の高分子。
ヒドロキシプロリン
トリクオタノイン
安息香酸塩
香料
マイカ

こては、弱酸性アミノ酸系界面活性剤タイプの洗顔料です。10%水溶液にした場合、pH5.76 (23.5℃)でした。
使われているアミノ酸系界面活性剤も、非常にマイルドなタウリンタイプです。しかも、ナトリウム塩タイプばかりなので、敏感肌の方(肌に微細な傷のある方)でもそれ程痛くはないでしょう。
本来の意味で、しっとりタイプを必要とされている方向いていると思います。
ただ、泡質は、パーフェクトホイップよりも荒く、すすぎ時に「ぬるつき」を感じるかたもおられるかもしれません。そのぬるつきは、何かが肌に残っているという訳ではなく、タウリン系Naのアミノ酸系界面活性剤の特長で、肌のバリア機能として働く、油分やコレステロール類を必要以上に奪わない結果です。
しかし、こういった「本気のしっとりタイプ」は、あまり売られていないのですよ ね。

日本人が「洗顔はスッキリ」を好む傾向があるので、仕方がないことですが・・・。
目的をちゃんと持っている場合は、やはり、弱酸性アミノ酸系界面活性剤タイプをお奨めします。


合成界面活性剤批判について

様々な界面活性剤が開発されてきました。開発当初は、如何に汚れを落とすかという点がポイントでした。
しかし、環境問題、化粧品トラブルに関する社会問題などの歴史を経て、開発の方向が、より自然にやさしいか、より人にやさしいかに変わってきました。
今日、多くのサイトで「合成界面活性剤の悪さ」を公表しています。しかし、そのサイトの多くは、本当に合成界面活性剤のことを知っているのでしょうか?

例えば、ラウリル硫酸Naラウレス硫酸Na、この2つの差が解って批判しておられるのだろうか?

前者(ラウリル硫酸Na)とは文字通り「ラウリル硫酸ナトリウム」のことです。後者(ラウレス硫酸Na)とは「ポリオキシエチレンラウリルエ一テル硫酸ナトリウム」のことなります。

この2つの大きな差は、その分子量の大きさにあります。もっと簡単に言えば、後者(ラウレス硫酸Na)の方が、「長い」のです。

肌に負担を掛ける1つの要因に、肌への浸透性があります。化学を特に学んでいなくても、大きい(長い)モノの方が、肌に浸透しにくいというイメージは持って頂けると思います。しかし、ポリオキシエチレンというだけで、合成で悪いモノというイメージの方も多いでしょう。

時代の進行に従って、技術も進み、改善されてきています。
わたしは、決して石けんがダメとはいいません。しかし、合成系が全否定されるのには疑問視を抱かざるえません。
様々な選択肢があり、自分の肌に本当にあったものを使っていくことが最も望ましいと思います。


ビタミンKについて

最近、目のクマ用の化粧品に「ビタミンK配合!」とかを堂々と書いているモノがあります。率直な感想は、
配合していいのか?
です。

化粧品の原料には様々なグレードのものがあります。元も低いグレードのモノは、化粧品には使われず雑貨グレード扱いになるようなモノ。具体的には、化粧品グレードで作れば口紅だけど、雑貨グレードで作るとクレヨンになるモノです。

次のグレードが、食品グレードです。例えば、同じ脂肪酸モノグリでも、食品グレードと化粧品グレードでは倍以上値が異ります。この値の差は、純度(精製度)が主な要因です。食品の方が、食べるので高いグレードと思われがちですが、そうではありません。。食品は、食べた後、成分が太陽光に曝されるわけでもないですし、沢山の酸素に曝されるわけでもありません。しかし、化粧品原料は、肌に塗るわけですから、太陽光や空気に長い時間曝されるわけです。純度が低いとトラブルの元となるのです。

で、次にグレードが高いのが、化粧品グレード
その上が、医薬品グレードです。
例えば、大豆レシチンにも化粧品グレードと医薬品グレードがあります。効果や性能はやはり医薬品グレードの方がすぐれています。

また、効果がありすぎるので化粧品で使えないモノもあります。例えばホルモンや医薬品として使われる化学物質ですね。この「医薬品レベルなので、化粧品では使ってはいけないよ!」という物質にビタミンKは上がられています。

実際に、昨年末からビタミンK配合の化粧品の回収が行われいます。
しかし、・・・未だに売られているモノもあるのですよね。
どういう「法の編み目のくぐり方」をしているのか、抜け道を知りたいですね。

注意なのですが、決してビタミンKが悪いから回収な訳ではないのでしょう。効果がありすぎるから医薬品扱い→化粧品では使えない。と、いった具合だと思いますよ。

ここで、知識豊富な方への要望なのですが、・・・。
ビタミンKは全成分表示名称に登録されています。しかし、実際に回収も行われているのがややこしいです。その編の詳細、誰か知りませんかぁ?


表示の問題について

この数年で色々化粧品の表示内容が変わりそうです。
まずは、表示価格の問題。
これは、内税、外税などの表示の混合があるましたので、メーカー小売価格として表示してある金額はいずれも税込みの表示にすることとなる予定だそうです。

つまり、メーカー小売価格1000円の洗顔を購入したら、以前なら、
1000 x 1.05 = 1050円
でしたが、1000円で買えるってことです。

ただし、問題もあるようです。それは、ドラッグストアなどで安く販売された場合です。この場合、1000円のところをドラッグストア側が安くして800円にしたとします。しかし、ドラッグストア側の表示は今回の法令改正に関係ないので、しっかり税金を取られて、
800 x 1.05 = 840円
となる訳です。この内税外税この混合は、購入者側だけでなく、販売店側にも混乱を来すのではないか?と、懸念の声もあるらしいです。

次いで、その翌年には、成分の表示名称として使われてきた「表示名称」が出来なくなり、「表示名称」だけにます。ややこしいですね。
具体的に言うと、「表示別称」で「パラベン」と表示されていたモノは仮の名で、正式に使われる「表示名称」で「メチルパラベン」や「エチルパラベン」など具体的に表示しなくてはいけなくなります。他にも「ラウリル硫酸」は「ラウリル硫酸Na」または、「ラウリル硫酸K」など具体的な塩の表示が義務づけされます。

しかし、これにも、問題があります。それは、在庫の問題。
法の改定が行われた以後の製造品に関しては「表示別名称」の使用は不可ですが、 それまでに作って倉庫にあるモノに関しては、OKとなるらしいのです。
化粧品の保証は3年。法が改定しても3年は訳の解らない名称が使用され続けるのでしょう。

更に、その翌年当たりには、薬事法の改正に伴い、「製造責任者表示」が変更されます。具体的に言えば、今は、
「販売元 コスメ瑠璃香
 製造元 日本マルコー」
と、なるわけですが、これの製造元表示がなくなるのです。つまり、
「販売元 コスメ瑠璃香」
となり、どこが作っているのか不明になります。
このことは、商品の販売後のトラブルなどの責任を(製造会社ではなく)販売する会社が行う制度に変わったからです。

こういった変化で大変なのは、実は印刷業界!大量の印刷が出来るか否かで生命線が問われます。また、容器の在庫の問題で倉庫管理(在庫管理)も大変です。その分、購入者は、「この会社、ちゃんとやってる!」か否かが解るのです。大変だぁ。


ドン・キホーテの問題について

自家製化粧品やアロマテラピーの世界に入ると必ず引っ掛かってくるのが、薬事法です。その薬事法も色々変化しつつありますが、市場も色々あるようです。
もう既に話題になっているドン・キホーテの医薬品販売の問題。自家製化粧品やアロマテラピーの世界の方も気を付けなくてはいけません。
ドン・キホーテの医薬品販売の問題について、まだご存知ない方に対して、簡単に書き記します。

元々、薬局で薬を売るには薬剤師が常在する必要があります。これは薬事法で決まっていることで、店の1コーナーに薬局を設けた場合、その薬を売ることができるのは、薬剤師なのです。

つまり、薬剤師がいない場合は、店員が販売することは出来ない訳です(薬事法で決まっているのです)。ドン・キホーテはご存知の通り、深夜までやっています。しかし、深夜まで各店舗に薬剤師を常在できないのが現状です。つまり、夜に困って薬を求めて来た人に、薬は売れないのです。

そこで、ドン・キホーテは考えました。
「薬剤師の指示の元でないと、医薬品を販売できないのなら、テレビ電話で指示してやっちゃおう!」

ドン・キホーテは、深夜はテレビ電話を通じて薬剤師の指示を受け、薬品を販売しようとしたのです。が、厚生労働省から「薬事法違反の可能性が有る!」と指摘を受けました。「薬局で薬を売るには薬剤師が常在する必要がある」と、いう点でテレビ電話での薬剤師対応はダメだというのです。

しかし、前例がない訳ではなく、離島や特定条件下ではやっていること。
そこで、ドン・キホーテは「売っちゃだめなら、無料配布!」と、出たのです。
でも、・・・。これも薬事法違反なのですよね。

自家製化粧品を人に売買することは、化粧品販売に関する承認や許可が必要です。一般の方が安易に取得は出来ないでしょう。
「自家製化粧水を友達にプレゼント!」
ってのも、実は薬事法違反になります。また、買ってきた化粧水を小さな瓶に小分けして販売するのも、化粧品の製造許可が必要になります。
アロマの場合、精油は雑貨扱いなので、それ程厳しく言われませんが、雑貨の販売にも法的な束縛があります。
楽しんでやっている内に、いつの間にか違法行為をしていませんか?
気を付けましょうね。


回収化粧品の現状例-1

化粧品に於て、薬事法的な問題に掛り回収を指示される場合があります。その理由として、品質面のトラブルも1つですが、成分的なモノ、具体的には「成分的な問題」での回収もあります。
今回は、その具体例を上げてみましょう。

回収例1(医薬品成分配合よる回収例)
販売名:ラ○○○ ピ○○○○
出荷数量:717本
回収理由:
フィナジオン(ビタミンK)は化粧品基準で配合が禁止されている医薬品成分であり、この成分を含有する化粧品は化粧品基準に合致しない為自主回収する。
危惧される具体的な健康被害:
医薬品成分を使用した為、健康被害は否定できない。
回収開始年月日:平成15年1月31日

回収例2(配合成分の偽りよる回収例)
販売名:ナ○○○○椿油
出荷数量:7260個
回収理由:
平成13年11月より製造していた製品に中国産のサザンカ油が混入しておりました。当組合といたしましては、製品の安全性につきましては成分分析の結果等から問題がないと判断いたしましたが、○○産椿油という表示で販売していた製品に他国産の原料が混入していたという事態を重く受け止め、平成13年11月以降製造の上記製品の自主回収を実施することとしたものです。
危惧される具体的な健康被害:
製造に使用した油は椿油としての化粧品原料基準と旧種別許可基準のサザンカ油として掲載されているものであり、化粧品の原料として使用しても差し支えないと判断いたしました。従って同製品を使用しても健康被害の恐れは無いと考えられます。なお現在のところ健康被害の報告も受けておりません。
回収開始年月日:平成14年10月11日

回収例3(輸入化粧品に於ける、配合成分の偽りよる回収例)
販売名:○○○○ハンソローション
出荷数量:1488
回収理由:
本製品に表示した成分、ブチルパラベンが配合されておらず、代わりにプロピルパラベンが配合されていました。また、表示成分、青1、黄4、が実際は配合されておりませんでした。これら表示違反により回収したします。
危惧される具体的な健康被害:
プロピルパラベン(0.000375%配合)は使用可能成分で、配合上限(1%)以下であり、品質上問題がありません。また、これによる特定の健康被害は考えられません。色素に関しましては、輸入先メーカーより青1、黄4のかわりに、酸化クロム(使用可能成分、上限なし)を使用したとの連絡があり詳細は現在確認中です。これによる健康被害は、特定色素に対するアレルギー反応(あかみ、かゆみなど)の可能性が考えられまた、現在までに健康被害の報告はありません。
回収開始年月日:平成14年7月22日

今回は、この3つを例に上げてみました。
1つ目の例は、医薬品成分(ビタミンK)の配合によるものです。
化粧品原料に使用できる成分は多くありますが、医薬品原料の使用は認められていないのです。「効果のあるもの=副作用の危険性がある」という点、「化粧品は顕著な効果を持ってはいけない」という定義からです。

2つ目は、信頼を裏切る形ですね。平成14年と言えば、ネット販売で椿油がブームになった年でもあります。椿油とサザンカ油は成分的に類似していますが・・・。そんな問題じゃないですよね。

3つ目は、輸入化粧品の配合成分の問題です。この場合、販売していた販売店自体が「聞いてないよぉ(汗)」と、いう場合もあります。アメリカやヨーロッパでOKで、日本で使えない成分ってもの結構ありますからね。今回の場合は、日本でも使用できる成分での間違いでしたが、偽りの表示では、全成分表示している意味がなくなってしまいますからね。

いずれも「自主回収」という形をとっています。こういった情報もチャンとネットには記載されているのですが・・・、まぁ、あまり目に付きませんね(汗)


回収化粧品の現状例-2

前回に引き続き、化粧品の回収例の現状を上げてみましょう。

回収例1(ヨーロッパ(EU)では使えるが日本では使えない原料の混入)
販売名:ノ○○ ラ○○○・○○○ ピンク(香水)
出荷数量:720本
回収理由:
当該品の表示として法定色素 赤色3号を含有する旨の表示をしましたが、赤色3号が検出されず、また、薬事法第42条第2項に基づく化粧品基準におけて配合が認められていない赤色タール色素が検出されたため。
危惧される具体的な健康被害:
今回、検出された法定色素はEU(ヨーロッパ)圏内で化粧品に使用されている色素でありますが、日本では認められていないものであることから、健康被害発生のおそれを完全には否定できません。
回収開始年月日:平成15年2月18日

回収例2(医薬品成分配合よる回収例)
販売名:TA○○○○プ○○○○○ソープ
出荷数量:2966個
回収理由:
上記製品に関し、医薬品として用いられているヒトプラセンタエキスを配合・製造したため、回収いたします。
危惧される具体的な健康被害:
使用したヒトプラセンタエキスにつきましては、元来医薬品の原料として製造されており、その製造工程において滅菌処理されており、また、現在知られているウイルス等の混入のないことの確認も行っていますので、重要な健康被害のおそれはないものと考えます。
回収開始年月日:平成14年12月27日

回収例3(輸入化粧品に於ける、配合成分の偽りよる回収例)
販売名:○○○○○○○ エッセンシャルッズ(基礎化粧品)
出荷数量:1072
回収理由:
弊社が輸入した当該化粧品中に日本においては化粧品の防腐剤に使用できない「イミダゾリジニルウレア」が配合されていた事が判明したため、当該化粧品を自主回収することにいたしました。
危惧される具体的な健康被害:
配合されている「イミダゾリジニルウレア(防腐剤)」は、欧米においては、使用可能な成分でありますが、健康被害を生じる可能性を完全には否定できません。しかし、現在まで健康ヒヒ害の報告は1件もお受けしておりません。
回収開始年月日:平成14年11月14日
今回は、この3つを例に上げてみました。
1つ目、3つ目の例は、欧米で使用できても日本では使用できない成分が配合されていた例です。1つめは、色素、3つ目は防腐剤ですが、この色素、防腐剤以外にも香料なども欧米と日本では配合の違いがあります。
アジア人と欧米人で肌にどれだけ差があるかは不明ですが、アジア系、特に日本人は欧米人に比べて化粧品による肌トラブルに敏感だと言われています。海外でOKだからといって、日本人に適しているとは単純に言えないのです。

2つ目は、前回のビタミンK(フィナジオン)を配合した例と同様です。
プラセンタエキスにはヒト由来のもの、ウシ由来のもの、ブタ由来のものと大きく3種があります。嘗てはどれも化粧品で使用が可能でしたが、エイズ問題と共にヒト由来プラセンタエキスは使用が出来なくなり、狂牛病問題以後、ウシ由来プラセンタエキスも使用が出来ない状態になっています。唯一使われているのは、ブタ由来のプラセンタエキスという訳です。
しかし、医薬品原料のことは詳しくは知らないのですが、まだ、ヒト由来のプラセンタエキスなど使えるのですね(^_^;
因に、プラセンタとは胎盤のことであり、当然動物にしかありません。ですが、「植物プラセンタエキス」なんてのも耳にします。いいのかなぁ?そんな表現(汗)


ヒアルロン酸Naについて

ヒアルロン酸Naの大きさは分子量で表されます。大きさとして5万〜230万まで幅があります。その差45倍以上です。当然分子量の小さい方が保湿力、塗布感(のび)、粘度が低くなります。あまり濃度が低い(または、分子量が低い)とヒアルロン酸Naといえども効果が低い訳です。

ヒアルロン酸Naは、1gで6Lの水を保持できるとしてよく謳いに使われますが、それは分子量が200万以上の場合です。一般の方が入手しやすうヒアルロン酸Naの分子量は5万〜150万でしょう。

保湿力のある成分としては他にグリセリンが有名ですが、分子量80万くらいのヒアルロン酸Naで0.4%配合されると、1%グリセリンよりも若干高い保湿性がありといわれています。このことで分かることは、思いの他ヒアルロン酸Na単体での保湿力は低いということです。

fig.1


fig.2
化粧水などにヒアルロン酸Naを配合するに当り、ヒアルロン酸Naは単体で使用するよりも、グリセリンと併用することで、初めて高い保湿性の持続力を持つといわれています。

また、ヒアルロン酸Na単体の保湿性のデータとして、0.4%と0.5%では、保湿性も倍ほど違います
その例として、ヒアルロン酸Naの濃度と粘度を比較したデータだありましたので、ご紹介致します。



fig.1、fig.2は横軸にヒアルロン酸Naの濃度、縦軸に粘度を示しています。 注意してご覧頂きたい点は、縦軸が対数メモリになっています。
fig.2を例にとりますと、0.5%と1.5%では粘度が100倍違います。0.5%以下でも同様で、(fig.1より)0.4%と0.5%で粘度が倍近い差があることがお分かり頂けると思います。 粘度がそのまま単純に保湿力を示す訳ではありませんが、同様の効果があることが示唆されます。


また、ヒアルロン酸Naを化粧水に配合するに当り、気になる点はpHだと思われます。生薬エキスなどはアルカリ側に弱いですし、尿素も扱いが難しい成分の1つです。

fig.3


そういった点では、ヒアルロン酸Naは非常に扱いやすい成分かもしれません。

fig.3は、横軸にpHを、縦軸に粘度を示しています。弱酸性から弱アルカリまで幅広い範囲で安定した粘度を示します。
ですから、ビタミンCのNa塩タイプやリン酸Mg塩タイプの配合されている美白化粧水(弱アルカリ)から、グルコースタイプのビタミンCを配合した美白化粧水(弱酸性)まで広く添加されている訳です。



最後に、ヒアルロン酸Naは熱に弱い性質があります。溶かす際に熱を加えるなら40℃以下を推薦します。60℃以上の熱を加えると、粘度の低下が生じる、つまり、分解が生じる可能性があります。

自作化粧品も市販の化粧品でも、温度管理は重要ってことですね。


洗浄による肌のpH変化

洗浄した際に肌がアルカリになると言われます。そして、時間が経つにつれて弱酸性に戻ると言われています。ですが、実際はどうなのでしょうか?
そういったタイプの実験データがありましたので、ご紹介いたします。



これは坂本氏が1997年に香粧会誌に発表されたデータの一部です。
縦軸をpHとし、横軸を時間としています。

青のラインがアルカリ洗浄料による洗浄後の肌のpH。赤が中性洗浄料緑が弱酸性洗浄料での洗浄後の肌のpHを示しています。なお、洗浄方法は、試験的なものであり、通常よりも過酷な「繰り返し洗浄」を行っています。

この結果を見て意外に思われた方もおられるのではないでしょうか?

アルカリ洗浄料で洗っても、肌のpHはアルカリになっていないじゃないか!

そうですね、pH8とか10にはなっていません。しかし、通常の肌のpHは5.3前後ですので、6.5とはかなりアルカリに変化しているのです。因に、血液のpHが0.2も違えばショックでヒトは倒れてしまいます。

では、話を戻しまして・・・。
洗浄後、弱酸性洗浄料(緑のライン)は、pH5.3前後をうろうろしたままです。pH的にみて、肌バリアの損傷はほぼないと思われます。
次に中性洗浄料(赤のライン)は、一旦pH6あたりまでアルカリ側に変化します。中性といってもpH7ですから、pH5.3の肌にとっては影響を受けるわけです。その結果、肌のpHが正常に戻るまで、5〜8時間掛っています。
最後にアルカリ洗浄料(青のライン)は、8時間経っても肌のpHは戻っていません。このことは、8時間以上もの長い間、肌バリアが完全でないことを意味しています。

確認しておきますが、このデータは実験的に通常よりも過酷な「繰り返し洗浄」を行っていますので、このデータが即、通常の洗浄に繁栄する訳ではありません。
しかしながら、肌質の弱い方、アトピー体質の方などは、十分用心が必要であることを意味していると思われます。

本当に肌にいい洗浄料は何なのか?もう一度考えてみては如何でしょうか?


シャワーリング

1日にどれくらいの髪が抜けるかご存知でしょうか?
男性に限らず女性でも、健康な方で100本は抜けています。
ヒトも動物の1種です。当然、季節の影響は受ける訳です。

秋から冬に掛けて、自然な脱毛の数が増えます。これは、夏の紫外線を受けた頭皮が弱ってくるとも言われますし、寒くなることで頭皮の血管が細くなって結構が悪くなることだとも言われます。

そこで、今回は、入浴時にできるすごく簡単な髪のケアの話です。
それは、シャンプーした後に、シャワーを後頭部から頭頂部に当てて1分余分にすすぐことです!

頭皮の血流は、後頭部から頭を覆うように流れますので、こうしたシャワーリングで頭皮全体の結構を促進できるのです。

また、暖かくなった血流は顔にも影響します。
目の下のクマは血流の悪くなることが原因の1つだと言われています。
寝る前の1分長目にシャワーリング♪大事な髪とお肌の為の簡単ケアです。これを読んだ今日から始めてみては如何ですか?




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