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アルジリンなどペプチド原料

ここ数年、アミノ酸ペプチド系の原料が流行ってますね。
海外では、アルジリンなどが有名ですね。
アルジリン2006年になって日本でも登録されたようです。
表示名称は、アルジリンではなくて、「アセチルヘキサペプチド−3」になります。定義は、アルギニン、メチオニン、アセチルグルタミン酸からなる合成ヘキサヘキサペプチドとなっています。「ヘキサ」とあるので、6個のアミノ酸からなるペプチドからなっているのでしょう。神経系に作用して、シワ改善効果などが期待されます。

これ以前の登録に似たようなモノには、
ヘキサペプチド−2:定義は、アラニン、ヒスチジン、リシン、フェニルアラニン、トリプトファンからなる合成ペプチド。
アセチルヘキサペプチド−1:定義は、アラニン、アルギニン、ヒスチジン、ロイシン、フェニルアラニン、トリプトファンの6種からなる合成ペプチドと酢酸の反応生成物。
アセチルペンタペプチド−1:定義は、アラニン、アスパラギン酸、リシン、チロシン、バリンの6種からなる合成ペプチドと酢酸の反応生成物。

同じペプチドの仲間で下記のモノも2006年に登録があったようです。
パルミトイルペンタペプチド−3
パルミチン酸とリシン、トレオニン、セリンからなる合成ペプチド。「ペンタ」という名から、5個のアミノ酸が含まれているのでしょう。別名「マトリキシル」とも呼ばれているようです。これも抗シワ効果が期待されます。

これ以前には、似たモノとして、パルミトイルオリゴペプチドというのがあって、これは「アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、グリシン、ヒスチジン、リシン、プロリン、セリン、バリンの中から2種以上のアミノ酸からなる合成ペプチドのパルミチン酸アミド」となっています。
他にも、パルミトイルテトラペプチド−3というのがあって、パルミチン酸とグリシン、グルタミン、プロリン、アルギニンからなる合成ペプチドです。
ややこしくなってきたので、表にしてみました。
すると、3つのタイプに分かれます。

1つ目は、純粋にアミノ酸でできたペプチド
2つ目は、アミノ酸ペプチドに酢酸(等)を付加したモノ
3つ目は、アミノ酸ペプチドに脂肪酸を付加したモノ

です。
上記で述べたアルジリン(アセチルヘキサペプチド−3)は、1つ目のタイプになります。 因に、瑠璃香でも、この系統の原料は使用しています。保湿クリームに配合されています、アセチルジペプチド−1セチルがそれにあたります。
アセチルジペプチド−1セチルは、2つ目と3つ目の合わせた形になっています。


純粋にアミノ酸だけのペプチド
アセチルへキサペプチド−1
アラニン、アルギニン、ヒスチジン、ロイシン、フェニルアラニン、トリプトファンの6種アミノ酸ペプチドと酢酸の反応生成物

アセチルへキサペプチド−3
アルギニン、メチオニン、アセチルグルタミン酸からなる6個のアミノ酸ペプチド
今流行のアルジリンのことです。

アラニングルタミン
アラニン、グルタミンからなる2個のアミノ酸ペプチド

オリゴペプチド−6
アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパルタミン、イソロイシン、ロイシン、リシン、フェニルアラニン、トレオニンからなるアミノ酸ペプチド

グリシルチロシン
グリシン、チロシンからなる2個のアミノ酸ペプチド

ジペプチド−2
バリン、トリプトファンからなる2個のアミノ酸ペプチド

テトラペプチド−1
ロイシン、プロリン、スレオニン、バリンからなる4個のアミノ酸ペプチド

トリペプチド−1
グリシン、ヒスチジン、リシンからなる3個のアミノ酸ペプチド

トリペプチド−2
チロシン、バリンからなる3個のアミノ酸ペプチド

ノナペプチド−1
アルギニン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、トリプトファン、バリンからなる9個のアミノ酸ペプチド

ヘキサペプチド−2
アラニン、ヒスチジン、リシン、フェニルアラニン、トリプトファンからなる6個のアミノ酸ペプチド


アミノ酸ペプチドと酢酸の反応物

アセチルテトラペプチド−2
アスパラギン酸、リシン、チロシン、バリンからなる4個のアミノ酸ペプチドと酢酸の反応生成物

アセチルトリペプチド−1
グリシン、ヒスチジン、リシンからなる3個のアミノ酸ペプチドと酢酸の反応生成物

アセチルペンタペプチド−1
アルギニン、アスパラギン酸、リシン、チロシン、バリンからなる5個のアミノ酸ペプチドと酢酸の反応生成物

アセチルモノフルオロヘプタペプチド−1
アルギニン、グリシン、グルタミン酸、ヒスチジン、ノルロイシン、p-フルオロフェニルアラニン、トリプトファンからなる7個のアミノ酸ペプチドと酢酸の反応生成物

アセチルグルタミニルヘプタペプチド−1
メチオニン、アルギニン、アラニン、アスパラギン酸からなる7個のアミノ酸ペプチドと酢酸及びグルタミンの反応生成物


アミノ酸ペプチドとフッ素化酢酸の反応物

トリフルオロアセチルトリペプチド−2
チロシン、バリンからなる3個のアミノ酸ペプチドとトリフルオロ酢酸の反応生成物


アミノ酸ペプチドと脂肪酸の反応物

パルミトイルオリゴペプチド
アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、グリシン、ヒスチジン、リシン、プロリン、セリン、バリン中の2種以上のアミノ酸からなるアミノ酸ペプチドとパルミチン酸の反応生成物

パルミトイルテトラペプチド−3
グリシン、グルタミン、プロリン、アルギニンからなる4個のアミノ酸ペプチドとパルミチン酸の反応生成物

パルミトイルペンタペプチド−3
リシン、トレオニン、セリンからなる5個のアミノ酸ペプチドとパルミチン酸の反応生成物
今流行のマトリキシルのことです。


アミノ酸ペプチドと酢酸の反応物+アミノ酸と脂肪酸の反応物

アセチルジペプチド−1セチル
「チロシン、アルギニンからなる2個のアミノ酸ペプチドと酢酸」+「アルギニンとパルミチン酸」の反応生成物
瑠璃香保湿クリームに配合されています。




日焼けと油焼けについて

日焼けとは、紫外線の影響を受けて肌が赤くなったり、黒くなったりする現象ですね。
では「油焼け」とはいったい何なのでしょうか?

「油焼けって、オイルを肌に塗るコトで、そのオイルが紫外線を吸収して日焼けするコトだ!」
と、思っておられる方は多いのではないでしょうか?
この考えは、限りなく×に近い正解です(微妙ぅ〜)

油焼けとは、精製された(若しくは未精製)オイル成分中に含まれる微量金属が、紫外線のエネルギーを受けて活性酸素を発生させ、日焼け同様に炎症を肌に生じさせる現象です。
うむ〜、ちょっと表現が固いですね・・・。

では、ちょっと振り返ってみますね。まず、通常の日焼けを考えてみますね。
通常の日焼けは、太陽光を受けてその紫外線が肌に炎症を起こした現象です。その炎症の原因は、肌の中で生じた活性酸素です。その活性酸素は、肌の中まで入ってきた紫外線によって生じます。
赤くなるのは、炎症を起こした細胞を復活させたり、消滅させたりする為に、毛細血管が活発になっているからです。つまり、あの「赤」は、毛細血管の色です。
黒くなるのは、これ以上、紫外線が肌に入らないように、メラノ細胞が、周辺細胞にメラニンという「黒い傘」を手渡しているからです。黒い傘は正に「日傘」な訳です。

じゃぁ、油焼けに戻りましょう。
油焼けは、肌の表面に塗ったオイル紫外線が当たったときに、そのオイル中に不純物として含まれている微量金属が、触媒となって活性酸素を作ります。その活性酸素が伝搬して肌に炎症を生じさせ、赤くなります。
また、この活性酸素が発生するのに必要な紫外線量は、微量金属の存在で、ちょっとした紫外線量で簡単に活性酸素を発生させてしまいます。

また、メラノ細胞は、紫外線に反応するというよりも、活性酸素に反応します。紫外線量が少なくても、微量金属から生じた大量の活性酸素に反応して、メラニンの「黒い日傘」を周りの細胞に手渡す訳です。ですから、「日焼けしない程度の紫外線量でも、油焼けすると肌が赤くなったり、黒くなったりする」訳です。

じゃぁ、油焼けしないオイルってどんなオイルでしょうか?そもそも、日焼けしやすいオイルってどんな種類なのでしょうか?

簡単に言うと、精製度の悪いオイルが油焼けしやすいオイルになり、精製度の高いオイルは油焼けしないオイルになります。
しかし、現実問題として、最近は、化粧品グレードのオイルは精製も高くなって。金属が含まれないように配慮された製品が多くなっています。ですから、昔ほど、油焼けするコトはなくなってきています。

また、今回の場合の活性酸素とは一重項酸素と言います。これを無害な三重項酸素にしてくれるのが、βカロチンやビタミンAです。しかし、オイルの精製過程で、βカロチンなどは「不要な色素」として取り除かれます。逆に、バージンオイルには、このβカロチンが豊富です。
「精製されたオイルの方が日焼けしやすい」と、いうのは、精製行程でβカロチンは除かれるけど、微量金属が残ったままのオイルはよくない!ってことになるのでしょうね。


髪とヒアルロン酸Na

ヒアルロン酸Naって、あんまり意味ないんですよね。
って、いきなりのコメントですが・・・。
今回は、髪に吸着するモノの話です。

健康な髪の表面はキューティクルで覆われています。このキューティクルは疎水性で、表面はマイナスに帯電しています。
ですから、通常の髪の表面には、プラスに帯電しているモノが吸着します。また、先に述べたように、キューティクルは疎水性なので、疎水性の成分も髪に付きやすいです。

例えば、リンスやコンディショナーの成分で「カチオン界面活性剤」というのを聞いたコトのある方も多いでしょう。カチオン界面活性剤は、プラスの電価を持ちます。ですから、髪に付けた場合、髪のマイナスとカチオンのプラスが引っ付いて、髪に吸着します。吸着したカチオン界面活性剤が髪にしなやかさを与えるのです。ウールの柔軟剤も同じ原理です。

また、リンスやコンディショナーにはオイルシリコンが配合されていますよね。これは、処方中では活性剤によって乳化されているのですが、すすぐ時に沢山の水が入ると、活性剤が希釈されてオイルやシリコンを抱えられなくなります。そうなると、水中にオイルやシリコンを手放すのですが、当然、水とオイルは馴染みません(シリコンも同様に水と馴染みません。共に疎水性ですからね)。そこで、水中に居場所のなくなったオイル(シリコン)は、同じ疎水性のモノに引っ付いていきます。すすぎの最中に存在する疎水性のモノこそなのです。ですから、すすぐコトによってオイルやシリコンは髪に吸着するのです。

じゃぁ、先に、リンスやコンディショナーを洗面器に薄めておいてそれを塗ったらどうなの?
と、なりますよね。そうすると、リンス(コンディショナー)中のプラスに帯電している成分は、髪に吸着します。しかし、疎水成分は、同じ疎水性の「洗面器」に吸着します(笑)

で、文頭に挙げた「髪にヒアルロン酸Naって、あんまり意味ないんですよね。」ですが・・・。
ヒアルロン酸Naは水中でマイナスに電価しています。髪の表面もマイナスです。ですから、髪の表面に吸着するコトなく、ヒアルロン酸Naはすすがれて流れていきます(苦笑)

じゃぁ、どんな高分子がいいの?プラスに帯電している高分子って何?
と、なりますよね。
具体的には「○○セルロース」、「ポリクオタニウム-10」などがあります。左記は共に植物由来の原料の高分子ですが、水中でプラスに帯電していますので、すすぎ時に髪に吸着するのです。ですから、すすぐ時にさらさら感を与えられるのです。


アミノ酸ペプチドの仕事

アミノ酸ペプチド原料が沢山存在することは前にご紹介しました。
今回は、そのペプチドの仕事ぶりを紹介しましょう。

と、言っても、今回の話は、メチャ専門的で難しいので、はじめに非常に簡便に記しますね。

トリペプチド−1
   コラーゲンアップ
パルミトイルオリゴペプチド
   シワ改善、肌バリア機能アップ、美肌
アセチルジペプチド−1セチル
   表情ジワ改善、かゆみ改善
パルミトイルテトラペプチド−3
   抗炎症、美肌

(なお、シワは老化や紫外線で肌の繊維切断するなどが原因のモノとしました。表情ジワは笑いシワや目元のシワなど反復的な動きが原因で出来るシワを意味します。美肌は、肌表面の皮丘や皮溝のでこぼこが滑らかになることを意味します。)

以下、難しい話です(笑)

ペプチドの紹介

トリペプチド−1 :グリシンーヒスチジンーリシンの3連のアミノ酸ペプチド

パルミトイルペンタペプチド−3 :リシンートレオニンートレオニンーリシンーセリンの5個のアミノ酸ペプチドとパルミチン酸の反応生成物

パルミトイルオリゴペプチド :この内、バリンーグリシンーバリンーアルギニンープロリンーグリシンの6連のアミノ酸ペプチドとパルミチン酸の反応生成物、または、バリンープロリンーバリンーグリシンの4連のアミノ酸ペプチドとパルミチン酸の反応生成物

アセチルジペプチド−1セチル:チロシンーアルギニン ユニットを持つペプチド

パルミトイルテトラペプチド−3:グリシンーグルタミンープロリンーアルギニンからなる6連のアミノ酸ペプチドとパルミチン酸の反応生成物

では、作用をみてみましょう。

パルミトイルオリゴペプチドは、大きく3つ作用があります。
1)繊維芽細胞を集める性質があります。つまり、
繊維芽細胞を集める → 繊維(エラスチン)を作らせる → シワ改善
と、なります。

2)角化細胞に働きかけて、マクロファージという皮膚の免疫細胞も集めます。つまり、
免疫細胞(マクロファージ)を集める → 肌の免疫力がアップ → 肌バリアアップ

3)上皮増殖因子の感受性を高め、細胞を活性化する(m-RNA増など)。つまり、
増殖因子に反応しやすくする → 肌の復活

アセチルジペプチド−1セチルは、最終的にA、Bの作用があります。
チロシンーアルギニンの部分が、細胞表面の受容体に結合することで、βーエンドルフィンやメチル化エンケファリンを放出させる。
このβーエンドルフィンやメチル化エンケファリンが感覚神経細胞や運動神経細胞の受容体に結合することで神経細胞の緩和、筋肉収縮を緩和する。このコトで、かゆみなどの刺激も緩和、シワ改善を行う。つまり、
細胞表面でスイッチオン! → エンドルフィンなどを細胞が放出 → 神経細胞を緩和 →A,B
A → 筋肉の無駄な収縮を緩和 → 表情シワ改善
B → 神経の無駄な反応を緩和 → かゆみの改善

パルミトイルテトラペプチド−3は、2つ作用があります。
1)炎症誘導因子(IL-6)の分泌を抑える → 炎症緩和
2)DHEA同様に肌表面の見た目の老化を改善 → 美肌

以上です。他にも、ペプチド原料がありますが、わたしも全てを知っている訳ではないので、今回は有名どころをご紹介しました。ただ、原理が難しいので・・・(汗)


水を扱うモノたち

わたしは、化粧品の開発を行う上で、3つのことを気にかけています。
1:安全性
2:使用感を含む効果性
3:捨てられた後の分解性

です。

1つ目の安全性は、言うまでもないですね。基本は、アトピーでもある我が嫁や、幼い我が子に安心して、毎日使って貰える商品を作ることです。更に、ガンの危惧があるTEA塩タイプのアニオン界面活性剤や、中和剤としてのTEAそのモノも避けています。

2つ目は、「安全性重視だから使用感や効果などは二の次」ってのは、プロとして半人前だと思っていますので、しっかり、使用感や効果も考えます。また、瑠璃香の商品を購入されてお気づきの方もいると思いますが、「匂い、香り」にもちょっとこだわっています。無香料は勿論なのですが、香料を使用しない場合、原料臭がたってきます。瑠璃香では、無香料=無臭を目指して処方しています。また、香り自体も使用感や効果の1つと考えていますので、レモン精油を採用している商品もあります。ただ、通常の柑橘系の精油には、光毒性のあるフロクマリンを含むのですが、瑠璃香の精油にはそのフロクマリン除去タイプを採用しています。

3つ目なのですが、これが重要です!
シャンプーなどは、すすがれた後に廃液として、下水に流れます。日本の下水事情は高いのですが、100%ではありません。そのまま、川や池に流れる可能性もあります。瑠璃香では、生分解性の高い原料をシャンプーなどに使用しています。また、パラベン類では、「環境ホルモンでないと言い切れない!」という、微妙な位置のブチルパラベンの使用を避けています。ただ、何が何でもパラベンは悪とは思っていません。最良の使い方をしていくべきだと考えています。

化粧品は、水が大切な商品です。下水を汚すことは、結局、使う水や環境を侵すことになるのですよね。
そうそう、父さんの子守唄って曲をご存知ですか?わたし好きなんです。と、言いながら、1番と2番の曲がごっちゃになてるのですが・・・、下記のような曲です。

父さんの子守唄

生きている魚達が生きて泳ぎ回る川を
あなたに残しておいてやれるだろうか、父さんは

目を閉じてご覧なさい、山が見えるでしょう
近づいてご覧なさい、コブシの花があるでしょう


登山やアウトドアやカヌー、ダイビングの好きなわたしとしては、この歌は肝に銘じるモノがあるのです。
わたし達は、自分のこどもや孫に何を残してやれるでしょうかね。


なぜ、石鹸で落ちる日焼け止めは汗で流れるのか

石鹸で落とせるタイプの日焼け止めは汗で流れがちです。一方、シリコンリッチタイプは汗や皮脂に強いです。どうしてなのでしょうか?今回は、改めてその点についてカキコしましょう。

石鹸で落とせる日焼け止めは、
オイル+オイルを乳化できる界面活性剤+日焼け止め成分」
です。

塗った時にこの内オイルは肌に馴染んで浸透してしまいます。また、は気化して蒸発します。
すると、肌の表面には、オイルを乳化できる界面活性剤+日焼け止め成分が残ります。
肌が通常の状態では、発汗した汗は直ぐに気化して液体になったりしません。皮脂も必要以上でなければ角質層の中に留まっています。

しかし、夏場など汗や皮脂が出ると、再び肌の表面は、
皮脂+オイルを乳化できる界面活性剤+日焼け止め成分」
という状態になって、日焼け止めを塗った直後の状態になります。
更に汗や皮脂が増えると、「オイル+オイルを乳化できる界面活性剤」で「日焼け止め成分」が浮きあがって、ヨレや流れなどが生じます。

一方、シリコン系の落ちにくい日焼け止めは、
「水+シリコン+シリコンを乳化できる界面活性剤+日焼け止め成分」
です。

塗った時にこの内シリコンは
1)気化するタイプがあります
2)皮膜になるタイプがあります
の2種があります。また、水は気化して蒸発します。
すると、肌の表面には、シリコン+シリコンを乳化できる界面活性剤+日焼け止め成分が残ります。(オイルと違ってシリコンは浸透しません)
このシリコンを乳化できる界面活性剤は、オイルを乳化しません。
ですから、皮脂が出ても、「オイル+界面活性剤」で「日焼け止め成分」が浮きあがるということがありません。また、皮膜するタイプのシリコンがあると、皮脂とシリコンも馴染みませんから、日焼け止め成分の流れてしまうのを止めます。

シリコン系が強いのにはこういった工夫があるのです。


化粧品の倫理観

化粧品原料は、規制緩和以後、かなり自由度が上がっています。
現在の化粧品の基本姿勢は、「かぶれやトラブルが生じた場合、製造販売しているメーカーが責任を取る」というスタイルです。
この「製造販売しているメーカーが責任を取る」というのが重要なのです。この言葉は諸刃の剣で、「自社責任の上で、何を配合してもいい!」と、この法を間違った拡大解釈してしまっているメーカーもあるのです。

しかし、実際には、医薬品原料扱いのモノは配合は禁止されています。
その理由は、
「化粧品は、日常生活で毎日使うモノであるので、副作用のあるようなモノは使ってはいけない」
という考えがある(法がある)からです。

じゃぁ、薬は、副作用あってもいいの?
と、なりますが、答えは「ある程度ならOK」です!

なぜ、薬は、副作用があってもいいのでしょうか?その理由は、
「日常生活の中で、病気になった期間に限定して使用するモノである。また、その副作用は、病気の回復とのバランスとなる。」という考えがあるからです。

実は、こういった考えを最近の化粧品メーカーはまじめに考えています。医者の方が軽視度が激しいですね。

例えば、水溶性ビタミンC配合の美容液!美白を目的とした医薬部外品でも、数%しかビタミンC誘導体を配合しません。それは、乾燥やかぶれ、赤みなどの副作用が生じるからです。
しかし、医者が出す明らかに医療目的ではない、美容目的の水溶性ビタミンC配合美容液が存在します。こういったモノは、○○クリニックなどでしか購入できないのですが、10%以上の配合のモノがあります。

「副作用は?赤みやかぶれ、乾燥がでたらどうするの?」
と、思いますよね。そうしやら、医師は、軽ぅ〜く、
ああ、抗炎症剤だしましょう
と、言います。勿論、医療費は購入者の自腹になりますね。
これが、化粧品メーカーなら「医療費は、メーカー負担」ってこともあるのです。なぜ、メーカー負担なのか?それは、化粧品メーカーが自分の商品に責任を持っているからです!

○○クリニックの美容液を使ってかぶれて、同○○クリニックに診てもらって、その原因がそのクリニックの商品でも「医療費は○○クリニックが持ちます」なんて聞いたことないでしょう。

昔は、医者は薬を出したら儲かったのですが、今は、医薬分離で、薬を出しても医者は儲かりません。そこで、皮膚科系は、自社の化粧品を出したりします(これが化粧品メーカーに作ってもらってるのならOKなのですが)。勿論、化粧品で使えない原料も使用しちゃいます!なんせ、医者は効果重視ですから!
勿論、病気を直す目的ならOKです。しかし、美容目的となると・・・。

こんな事例があります。
*ある美容サロンが顧客を××皮膚科に紹介して、ヒトプラセンタを処方しその美白効果・美肌効果をその美容サロンの営業に使っている!
よく、耳にするのではないでしょか?若しくは、体験済みの方もおられるでしょうかね?

勿論、美容サロンは「治療」という名で××皮膚科を紹介し、××皮膚科も医療という名の下にヒトプラセンタを処方します。
しかし、これは、日本医師会より出された「医師の職業倫理指針」の多くの項目で違反している疑いが強いようです。特に、医師法では医師の広告と宣伝は虚偽または誇大にならないように制限されいます。
宣伝広告が出来ない医師が業者に宣伝させ集客する手段。顧客はサロンより診療所へ行くように指示され薬による治療を受ける。治療効果を業者が宣伝に使う。
これは、宣伝広告が可能な業者と外観上はきれいに見せたい医師との法の網を潜り抜けるための協調関係なのです。従って、この事例は日本医師会の判断以前の問題で、医師としての倫理感の欠如があると思います。

恐ろしいモノは、原料そのモノや濃度じゃなくて、金に目がくらんで、病状が見えなくなった医師ですよぉ〜。(まぁ、金に目がくらんだ化粧品メーカーも怖いですけどね苦笑)


たわいない防腐の話

手作り化粧品では、防腐剤フリー(パラベンフリー)を望んでいますね。同じく、化粧品メーカーもパラベン以外の防腐剤の検討は常々行っています。
化粧品のプロはどんな防腐剤を探しているのでしょうか?望むとろは多くありますが、概ね下記のコトをチェックします。

1)低濃度で多くの種の微生物に有効である
2)広い温度範囲、広いpH域で抗菌性が減少しない
3)水に簡単に溶ける
4)中性である。若しくは、製品のpHに変化を与えない
5)人体への蓄積がない
6)製品の色や匂いに変化を与えない
7)自然界に放棄された時に分解性がよく、毒性が低い

と、なっています。この辺りを鑑みて、最終的に今一番優れているのがメチルパラベンをはじめとするパラベン類になります(ブチルパラベンなどの一部のパラベンは除く)。

「え?フェノキシエタノールは?」
と、お思いでしょうね。じゃぁ、フェノキシエタノールってそんなに安全性が高いのでしょうか? 見てみましょう。

微生物と一言で言いましても、多くの種類がありますから、今回は、その代表として大腸菌で見てみましょう。

以下は、その成分の「大腸菌に対する最小発育阻止濃度(%)」です。数字が小さい方が微量で効果があるってことになります。

メチルパラベン  0.13%
フェノキシエタノール  0.36%
BG 12%
PG 13%
グリセリン 34%

と、なっています。これは発育阻止濃です。つまり、「殺菌」とか「抗菌」の効果ではありません。あくまで、菌数が増えない数です。つまり、入った菌は減りません。
入った菌が減る場合、抗菌とか殺菌とかいいますが、「抗菌性は?」というデータでいくと、

グリセリン 抗菌性なし
ソルビトール 抗菌性なし
PD 10%以上で抗菌性あり
BG 8%以上で抗菌性あり

と、なります。
また、これは試験用に作った「データの見やすい処方」での結果データです。
実際の処方には、栄養素満点の美容液では、上記のデータ(抗菌性)を反映しない場合が殆どです。
「おお!BGって8〜12%で防腐とれるんだぁ!」
と、歓喜した手作りコスメの方!残念でしたね(汗)


個人輸入と防腐剤

アメリカ製品と限定すると語弊があるかもしれませんが、海外製品の化粧品で肌トラブルを訴える日本人が結構います。基本的には「日本人は洗い過ぎで、敏感肌になっている」というのが通説になっています。しかし、果たしてそれだけが原因なのでしょうか?

今回は、防腐剤の面からちょっと考えてみます。

今回は、アメリカの資料しか入手できませんでしたので、アメリカを中心にしたお話になってしまいます。
アメリカには、日本に於ける厚生労働省のような機関として、FDAというモノがあります。
そのFDAは、世界で最も安全性を重視する機関の1つに上げられると思います。
しかし、資生堂 浅賀氏の報告によりますと、防腐剤の使用量は、日本の2〜3倍と言われています。単純に考えるなら、メチルパラベンの場合、日本では、0.1~0.2%程度が通常配合量です(勿論、上限が1%なので、もっと入ってるのもあります)。しかし、その2〜3倍だとすると、アメリカ製品に於けるメチルパラベンの配合濃度は、0.3~0.6%となります。
通常、敏感肌の方が、メチルパラベンで刺激を感じる濃度は0.25%と言われています(メチルパラベンは濃度依存的に刺激を感じます)。ですから、日本の使用濃度で刺激を感じなくても、アメリカの濃度では十分に刺激を感じる可能性があるのです(敏感肌でのデータです、通常肌では大丈夫かもしれません)。

また、アメリカでは、日本では使用のできないホルマリン水銀を含む防腐剤の使用も可能です。
ホルマリンとは、あの理科質室で動物の死体を漬けている液体です。ホルマリンは淡白変成を起こさせるので有名です。
ここにFDAの発表による防腐剤使用化粧品の数を表にしてみました。



水色が世界で最も使用量のあるメチルパラベンです。
日本やヨーロッパでは、パラベンを避けるべく、フェノキシエタノールが使用されていますが、その使用数は意外に少ないことが分かります。
特徴的なのは、ホルマリン含有防腐剤の含有された化粧品の多いコト!
また、2003年時点でも水銀を含有した防腐剤(フェニル酢酸水銀)を使用した化粧品が現存しています。ホルマリン含有の防腐剤には、イミダゾリジニルウレアやジメチロールジメチルヒダントイン、クオタニウム15など「ホルマリンを含む」というモノもありますが、ホルマリンそのものを防腐剤として含む化粧品も2003年時点で120種近くもあります。

アメリカ製品といえども、日本で販売される場合は、日本の法規に則っています。水銀の入った化粧品などは販売されれることはありません。ただ、個人輸入に関しては別です。気を付けましょうね。


オイルクレンジング再び

インターネットには沢山の情報があります。玉石混合の情報の中、真実に近い情報が入手できる1つにアットコスメさんがあります。そこでは「アンケート」なども行っているのですが、今回はその一節を見てみましょう。

アットコスメさんの情報では、「最も愛用しているクレンジングの形態は?」という質問に、

オイル 44%
クリーム 20%
ミルク 16%

となっていました。
わたしの感想としては「オイルクレンジングの活用が多いのだなぁ」です。
次の質問に「オイルなど、水で洗い流すタイプをご使用の方にお聞きします」と、ありました。

おおおお!

そうかぁ、オイルクレンジングの一般的な常識としては、水で流せるモノなのですね。まぁ、楽ですものね。

以前にもクレンジングの種類を化粧品屋の独り言でまとめました(化粧品屋の独り言→vol.10→クレンジングについて)が、

水で流せるオイルクレンジング=オイル+界面活性剤(+水)
クリームタイプ=オイル+界面活性剤+水
ミルクタイプ=オイル+界面活性剤+水

って・・・皆基本は同じです。(「水で流せるオイルクレンジング」には、すすぎの時にすすぎ水と界面活性剤が混ざりやすいように「引き水」として少量の水が添加されている場合があります)

見た目の差こそあれ、そこに配合されている界面活性剤は、メイクやオイルを水中に分散させるだけの力があるのですから、肌のわずかな皮脂など当然奪います。

「でも、しっとりするよぉ」

と、言うのは、すすぎの時に、スクワランや分子量の大きいオイルワックスなどを肌に残して「使用感」を改善しているのです。石鹸みたいにきしまない分、悪質かもしれませんね。
でも、こういったタイプは、洗顔してるつもりで使うならいいのかもしれませんね

しかし、マイルドさを追求するなら、拭き取り型のオイルクレンジングです。擦って刺激になると思われている方も多いかもしれませんが、ゴシゴシしない限り大丈夫です。例えば、蒸しタオルで拭うっていう方法は、気持ちもいいですし、刺激も少なくクレンジングを除去できますよ。
(蒸しタオルは、塗らしたタオルをきつく絞って、電子レンジでチンすればOKです)

これから夏場に掛けて、外出して人と会う機会も増えるでしょう。毎日クレンジングするなら、自分にあったモノを選びましょうね。


洗顔にハケを!

化粧品、特にメイクには「道具」が必要であり、その道具にも善し悪しがあったりします。
例えば、メイクに欠かせないアイテムの1つに「ハケ」があります。
高級なハケに使われる「毛」で一番良いのは何の毛だかご存知でしょうか?実際には、色々あるのでしょうけど、今までのわたしの経験からすると「リス」の毛が最高ですね。他にも色々な動物の毛が使われるのですが、リス毛のハケは、最もしなやかで肌触りが良く、メイクの粉も細やかに付けることができます。

メイクの他にも、ハケで使われるモノがあります。何かお分かりでしょうか?
実は、「洗顔」なのです。
洗顔に用いるハケには大きく2種あって「泡立て専門」のハケと「顔に直接触れながら使用するハケ」があります。
前者のハケは泡立てた後、作製した細やかな泡で顔を洗うバージョン。床屋で顔剃りしてもらった経験のある方なら見たことがあるでしょう。あの泡立てのハケです。
後者は、洗顔フォームを泡立てた後、ハケを肌に直接当てる形で洗顔します。後者の毛は肌に負担が掛からず、毛穴の汚れを掻き出してくれる毛を使わないといけません。

今回は、この後者のハケを購入してみました。
作っているトコは、株式会社竹宝堂(http://www.chikuhodo.com/)といって、広島の会社です。使用している毛はヤギの毛で、全長105mm。(下図参照)



実際に、洗顔フォームを使ってこのハケで顔を洗ってみました。
いつもは、百均の泡立てネットで細かい泡を作ってその泡で洗顔しています。
しかし、今回は、ヤギ毛を使ったハケを使用して洗顔フォームを泡立て、その泡とハケで顔を洗ってみました。
泡立ちは、百均の泡立てネットの方がボリュームが出るのですが、泡のキメの細かさは、ハケの方が上かもしれません。使用のコツは、毛先が肌に触れるか触れないか程度を使用すること。これは、「毛先で掻き取る」イメージをもって頂けると分かるでしょうか?毛先の最も細かいトコで毛穴をから汚れを掻き取るイメージです。ですから、触った感じがあまりない程度が最良でしょう。
洗顔後の洗浄感は、断然ハケを使った方がすっきりします。見た目も、毛穴の黒ずみも除去されています♪使用後は、洗って、搾って、干すだけなので至って簡単。
欠点と言えば、あまりに落ちるので、やたらと鼻などを洗ってしまって「やりすぎる」ことです(笑)いやぁ〜、暫く病みつきになってしまいそうです♪

他に、化粧品のアイテムには櫛があります。
今回は、ツゲ櫛も購入してみました。



木製の櫛ですが、丈夫です。何よりも、静電気が起きません。髪の傷みの原因の1つにブラッシング時の静電気があります。この写真のツゲ櫛で1000円しません。もし、髪の傷みが気になる方は、ツゲ櫛を使ってみては如何でしょうか?


戻すの勘弁!

化粧品には防腐剤は必須です。パラベンフリー、フェノキシエタノールフリーの商品でも、何らかの方法で防腐を獲得しています。
化粧品に防腐剤を入れる理由に2つあります。

まず、1つ目は、製造時の安定性(安全性)です。
残念ながら特殊な工場でない限り、化粧品製造は無菌状態で製造されている訳ではありません。
まぁ、防塵や菌の混入を避けるエアコントロールなど様々な工夫はされています。しかし、本当に無菌を目指すならP3レベルの工場設備が必要になります。
そこで、防腐剤の参上です。瓶詰めにした中に、もし幾らかの菌が入っても、その菌が増えない状況を処方組で工夫しているのです。

2つ目は、皆さんの手に渡った後、つまり、開封して使用が終わるまでの安定性(安全性)の為です。
開封して、中身が出る分、空気が入ります。その空気の中に菌が入ってくる場合があります。つまり、開封後、多少の菌が入っても処方中で増殖しないように工夫する為に防腐剤を配合するのです。

しかし!資生堂さんの報告では、
化粧品を使う前に、手を洗う人は、22%
一度手に取った中身を戻す人は、64%
いるそうです!

化粧品を使う前に手を洗うのは、ちょっと厳しいにしても、「一度手に取った中身を戻す」というのは、勘弁して欲しい!と、言うのは本音です。
手には思わぬ程雑菌がいます。手に取って戻すってことは、菌を入れているようなものです。
一応、処方を組む時に、チェレンジ試験といって、ある程度の菌を試験的に入れて商品の防腐力を確認して商品化します。しかし、毎回毎回一度手に取った中身を戻すコトをされると・・・。いくら何でもツライです。
特に、パラベンフリー、フェノキシエタノールフリーの商品を扱われる場合は、使用する側もその使用方法に気配りが求められます。

しかし、最近は、情報も広く浸透していて、パラベンフリーの商品を購入される方の多くは、上記のように一度手に取った中身を戻すなどはしていないようです。(ホッ)

でも、64%には驚きです!


遅延性太田母斑

太田母斑というモノをご存知でしょうか?生まれながらにして顔に大きな(アザ)がある場合があります。そういったモノを太田母斑と言います。一般的には、、黒というよりも青〜青紫に見える場合が多いようです。

基本的に、この太田母斑はホクロ同様、化粧品や医薬部外品の美白化粧水では改善しません
日焼けと、こういった太田母斑の違いは、メラニン色素の深さにあります。

通常、メラニンを作るメラノサイトは、表皮と真皮の間にいます。そこで、表皮の細胞にメラニンを植え込んで黒くします。しかし、ご存知の通り、表皮の細胞は、肌サイクルにのっとって、20日前後で垢となって剥がれ落ちます。そうなると、再び奇麗な肌色に戻ります。美白化粧水の内、特にビタミンC誘導体タイプは、このメラニンを表皮の中で脱色します。それが美白です。

ところが、太田母斑などの場合、通常、表皮と真皮の間にいるはずのメラノサイトが真皮側に入り込んでいます。そうなると、メラニンは表皮ではなくて、真皮に植え付けられます。真皮は一種の内蔵なので、なくなったりしません。ですから、「痣」という形でずっと黒いまま残ります。
太田母斑の場合、表皮近くの真皮がメラニンで黒くされますので、光の加減でや血流の加減で黒ではなくて、青〜青紫に見えるのです。

ところが、最近、新しい情報が入りました!
その名は「遅延性太田母斑」です。

通常の太田母斑は、生まれながらにあるモノなのですが、遅延性太田母斑は、加齢日焼けによって現れるようです。
通常の太田母斑の場合、真皮にあるメラノサイトがメラニンという黒い色素を出して黒く(青〜青紫)に見せるのですが、遅延性太田母斑の場合、真皮の中のメラノサイトは普段はおとなしいのです。
つまり、メラニンを作っていません。だから、通常は、痣はないのです。
しかし、紫外線の影響を強く受けると、不活性だったメラノサイトが活性化して、メラニンを作り出します。しかも、それが真皮内なので、一度できると治りません

遅延性太田母斑は、見た目上、シミやそばかすのように見える場合があるようです。
シミなどは、色々な原因があるのですが、原因がメラニンによるシミは、そのメラニンは表皮にあるので、新陳代謝や美白化粧水で改善されます。しかし、なかなか治らないシミは遅延性太田母斑の可能性があるようです。その際、青〜青紫ではなくて、本当にシミやそばかすみたいな色で見えるらしいです。
特に、遅延性太田母斑は黄色人種特有のようなので、日本人にもみられます。しかも、最近の知見なので、勉強家の皮膚科でないと「知らない!」ってことがあります。医者が何でも病気の事を知ってると思ったら間違いですよぉ。(笑)

ただ、遅延性太田母斑のメラノサイトは普段は不活性なので、日焼けしない限り黒くなったりしません。日焼け対策!怠ると、いけませんね!


ハーフフェイスマジック

半分メイクして、「ほら、こんなに目がぱっちりするでしょう♪」
とか聞いたことがありませんか?
もっと、極端な例なら「ほら、この美容液を使ってマッサージすれば、目元のたるみもほら、こんなに違ってきます♪」
なんてのも耳にしたことがないですか?

こういったモノをハーフフェイスマジックと言います。

本来、ヒトの顔は、左右非対称なのです。例えば、歌舞伎の隈取り(顔に描く赤い模様)なども左右比対称でOKとされます。また、女優やタレントさんのアップやポスター写真も、奇麗に見える方向があって、右撮りのヒトは必ず右撮りです。
つまり、一般的に左右の顔の目尻などは微妙にどっちかが下がっていて、どっちかがそれより高めになっています。目も、微妙に、左右で開き方が違います。
それをメークアップアーティストや美顔師の方は瞬時に見抜いて、下がっている方を、ノーマルのまま、上がっている方に、技を施しをします。
メイクなどは、「メイクしたら、直ぐに変わる」というイメージがわたし達受ける側にあるので、誘導は簡単です。
しかし、美容液などは、「使ってから直ぐに効果はでないんじゃないの?1週間は使わないとぉ」と、いうイメージがありますよね。でも、そんなに時間はありません。そこで、一言「マッサージ」という言葉を添えます。

「ほら、この美容液を使えば、目元のたるみもほら、こんなに違ってきます♪」
「ほら、この美容液を使ってマッサージすれば、目元のたるみもほら、こんなに違ってきます♪」
実演されて目の前で見て、1つ目は嘘くさいですが、2つ目は「ああ、アリかなぁ」と思いませんか?

化粧品は、商売です。売る手口もあります。上記の内容が悪と取ってしまってはそれまでですがが、逆に考えてみましょう。

メイク1つにしても、自分の顔の左右の違いを認識してファンデーションやアイメイクをすれば随分違ったイメージになります。
美容液も、マッサージの手順などは参考になるでしょう。
販売方法って、売る側もかなり勉強しているでしょうから、参考に出来るトコは使わなくっちゃね。


アネッサで失敗

わたしは、日焼けすると直ぐに赤くなってヒリヒリしてしまいます。しかも、黒くならない(ToT)。ですから、夏場、日焼けする場に行く時は、日焼け止めを使います。
特に乾燥肌ってこともないですし、効果重視でアネッサを愛用しています。
日焼け止め効果や汗にも強い、ウォータープルーフであるなど「効果」重視ならアネッサ♪って思っています(刺激や敏感肌に大丈夫かは別です 笑)。

ところで、今年の日焼け止めの特徴には、「専用クレンジング不要」という表記が多くあります。アネッサも多分に漏れず「専用クレンジング不要」と書かれていました。

ドラッグストア内では、我が娘が好き放題に化粧品をいじり回す(保育園児なのに化粧好き!)ので、長居は不可能!さっさとアネッサを購入。

買ってから「さて表示は?」と見ると
アネッサ パーフェクトスムースサンスクリーンEX
SPF 50+
PA+++
とあります。「うむ、うむ、アネッサらしい数字です」
エビちゃんの顔が少し葉月りおなに似てると思いながら、・・・

「おお!処方はどうなってるのかなぁ??」
と、職業病が・・・(笑)

シクロメチコン、水、メトキシケイヒ酸オクチル、エタノール、シリカ・・・

「ハヒ?メトキシケイヒ酸オクチル? あれ?アネッサって紫外線吸収剤を使っていたっけ?」
「え?酸化チタンなし?

やられました(>_<)

しかも、一個箱裏面表示をよく読むと
「洗顔時は、普段お使いのメーク落としをお使いになることをおすすめします。また、からだに使用した場合は、スポンジやタオルで普段お使いのボディー用洗浄料をよく泡立てて、ていねいに洗い落としてください。落ちにくいと感じた場合(重ねづけした時など)にはアネッサのクレンジング類のご使用をおすすめします。」
と、あります。しかも、字が小さいし、テカテカ光って読みにくい!

さて、このコメントを解説すると、
「最近流行のシリコン系のメイクを落とせるクレンジングを使ってね。そうでないと落ちにくいから、そん時は、アネッサクレンジングをどうぞ宜しく!体の場合は、スポンジとかタオルとかで擦って落としてね!」
ってことです。

そもそも、アネッサは、紫外線反射剤(酸化チタンなど)だけでSPFを獲得していたのが好きでしたし、その使用している酸化チタンが特殊だから落ちにくいってトコだったに・・・。これじゃぁ、その辺の日焼け止めと変わらないじゃん!

初夏、一号目の大失敗です(>_<)

まぁ、日焼け時間も短いですから、紫外線吸収剤でも今回はOKかな。でも、次は買わないけど(ブ〜)


プラセンタエキスについて(その後編)

一昔前は、お役所ってあんまり優しくなかったのですが、最近は違っているようです。
先日、プラセンタエキスについて、厚生労働省についてメールで質問してみました。
すると、結構、いい感じのレスポンスで「厚生労働省医薬食品局審査管理課」回答がきましたので、ご紹介しますね。

質問:
西日本化粧品工業会のサイトを閲覧する限り、
ヒトプラセンタエキス
INCI:HUMAN PLACENTAL EXTRACT
定義:本品は、正常分娩後に得られるヒト胎盤由来エキスである。
と、あります。また、一部の医療でヒトプラセンタエキスの注射などの行為が行われいるようです。 そこで、下記2つの疑問があります。
1)今も化粧品原料や医薬部外品原料として、ヒト由来プラセンタエキスは使用が可能なのでしょうか?
2)今も医薬品原料として、ヒト由来プラセンタエキスは使用が可能なのでしょうか?

回答:
ご質問いただいた「ヒトプラセンタエキス」は、薬事法で規定する「特定生物由来製品」に該当します。
「特定生物由来製品」の取扱いについては、「特定生物由来製品は、記録の保管及び特定医療関係者 による患者等に対する説明と理解が適切に実施されることが確保される必要があるため、医療用医薬 品以外の医薬品は特定生物由来製品として想定されていないことから、化粧品としての使用は認めら れないこと。」と規定されており、医療用医薬品以外の一般用医薬品、医薬部外品及び化粧品に使用することは認められません

なお、医療用医薬品については生物由来原料基準に適合するものであれば、原料として使用することが可能です

だそうです。どこぞの保険管理の省と違って、厚生労働省はまじめに頑張っていますね。だからこそ、現場のわたし達も化粧品屋もよりよい商品の開発を頑張らないといけませんね。


紫外線吸収剤と環境ホルモン

インターネットで検索すると、紫外線吸収剤に環境ホルモン作用がある旨の情報が引っかかってきます。
例えば、

2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(紫外線吸収剤)は中間代謝物を介してエストロゲン様作用を誘導する 東京都健康安全研究センター研究年報 NO.56, Page347-352(2006.03)」

などがあります。この資料を詳しく見ると、
「著者名:○○○男, ○○○子 (東京都健康安全研究セ), ○○○也 (東京都健康安全研究セ 多摩支所)
資料名:東京都健康安全研究センター研究年報 JST資料番号:G0682A ISSN:1348-9046」

更に、内容を見ると、
「日焼け止め用の紫外線吸収剤である2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(合成樹脂皮膜の光安定剤等に用いられている)は内分泌かく乱作用が疑われている化合物のひとつです。そこで2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノンの代謝様式をラット遊離肝細胞で調べたところ、その代謝物の1つにエストロゲン受容体との結合能力があった。従って、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノンの代謝物の1つは環境ホルモンの可能性があると思われる。」と、いった内容です。

さて、難しくなったので、簡単に考え直しましょう。
最初の一文である「2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(紫外線吸収剤)は中間代謝物を介してエストロゲン様作用を誘導する 東京都健康安全研究センター研究年報 NO.56, Page347-352(2006.03)」を見て、どう思いましたか?

「どっかの偉い研究所が、紫外線吸収剤に環境ホルモン作用があったって言ってる!」

と、思いませんでしたか?でも、実は、そんなコトは言っていないのです。

合成樹脂用の光安定剤である2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノンを、培養細胞に与えたら、変化した。その変化した物質は、女性モルモンと同じ鍵穴に引っ付いたよぉ」
と、言っています。恐れず表記するなら、

「2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノンは、そのままじゃぁ環境ホルモンという証拠はない」
「環境ホルモンの可能性があったのは、紫外線吸収剤が紫外線を浴びて分解して出来た物質ではない!」
って、感じです。

また、化粧品の全成分表示の登録には、「ジヒドロキシメトキシベンゾフェノン」や「ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸」はあっても「ヒドロキシメトキシベンゾフェノン」はありません。つまり、この2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノンは、化粧品で使われる原料ではなくて、あくまで、合成樹脂の光耐久性の為の成分なのです。

他にも、紫外線吸収剤と環境ホルモンで検索すると、ベンゾフェノンとか、ベンジリジン=トリクロリドやホスゲンなどが掛かってきますが、何れも化粧品原料ではありません

まぁ、世にある紫外線吸収剤の多くは、実は化粧品原料ではなくて、合成樹脂や塗料なんかに使われるのです。光を浴びて、樹脂が劣化したり、塗料の色が劣化するのを避ける為です。

化粧品に使用される紫外線吸収剤そのモノに環境ホルモン作用が直接認められたなら、厚生労働省が黙っちゃいません。即、使用自粛(若しくは禁止)の指示を出すでしょう。ですから、現存する化粧品用の紫外線吸収剤は、今のところ(←このひとことがミソ)安全です(でも、発がん性が危惧されるモノはあります 汗)。
ただ、紫外線吸収剤は、多くの紫外線を浴びると分解します。使った後、体を洗った洗浄水と一緒に廃液となり、自然界(若しくは下水場)で分解されます。その分解物が「環境ホルモンではない」とは言い切れません。でも、手元にデータがないので、「悪」とも「OK」とも言えないんですよね(汗)。

最後に
環境ホルモンに関して、簡単に調べることの出来るページがあります。
環境ホルモンデータベースというのですが、
http://w-edcdb.nies.go.jp/chem_search_go.php
です。何かの機会に覗いてみては如何でしょうか。

シメン−5−オール(旧名称:イソプロピルメチルフェノール)なども、「フェノールだから、環境ホルモンだぁ」なんてカキコしてるサイトもありますが、乱暴な話です。環境ホルモンは、環境省が策定したSPEED'98にリストアップされた内分泌攪乱化学物質(いわゆる環境ホルモン) と疑われている65物質を指します(上記サイトにも記載されています)。勿論、まだまだ未知のモノもあるでしょうから、登録は変化するのでしょうけどね。


イソフラボンの規制について

ネットのニュースで以下のようなモノがありました。

以下、略文:
「国民生活センターは22日、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)や乳がんの予防効果があるとして人気の「大豆イソフラボン」を含むとされる健康食品24商品を調査したところ、14商品で1日の摂取目安量が、食品安全委員会が特定保健用食品を対象に定めた摂取上限量(アグリコン量換算で30ミリグラム)を超えていたと発表した。摂取目安量が上限量の2倍以上のものもあった。
同センターが14商品の製造・販売業者にアンケートしたところ、4商品は生産を終了するか販売中止予定、9商品は摂取目安量を上限量以下に変更することなどを検討中で、変更の予定がないのは1商品だけだった。」

これについて幾つか質問がありました。
まずは、イゾフラボンについてです。

平成18年2月2日に、農林水産省から「大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A」というモノが出ています(http://www.maff.go.jp/syohi_anzen/isoflavon_qa.html#top)

その中に「問5:大豆イソフラボンとは何ですか?」とあります。その回答として、
「大豆イソフラボンとは、大豆、特に大豆胚芽に多く含まれる複数の化学物質の総称です。大豆イソフラボンは、女性ホルモン(エストロゲン)と化学構造が似ていることから、植物性エストロゲンとも呼ばれます。」
と、あります。

今回の世の話題になっているイソフラボン問題は、コエンザイムQ10と同じく、食べるコトに於いて、その配合上限を超えていたので、指摘を受けたモノです。

では、化粧品ではどうなのでしょうか?

イソフラボンという名称の登録はないのです。主に大豆由来の原料に含まれるという形になります。では、大豆由来の原料って何があるのでしょうか?
有名どころは「ダイズエキス」でしょうね。このダイズエキスには、大抵のどのメーカーの原料を採用しても、イソフラボンが入っていると思われます。
でも、ダイズ由来原料としては、その他にも、

水添ダイズ油
加水分解ダイズタンパク
ダイズ油
ダイズ発酵エキス(旧名称は、納豆エキスなので、微妙に別物?)
ダイズステロール(旧名称は、フィトステロール)
ダイズアミノ酸
ダイズ粉
ダイズ粉加水分解物
ダイズ根粒エキス
ダイズ脂質
ダイズ種子エキス
ダイズタンパク
大豆ビフィズス菌発酵液
ダイズ芽エキス
ダイズ油脂肪酸
ダイズ油不けん化物

なんてのがあります。

ダイズステロールがイソフラボンになるのかなぁ?
と、質問を受ける場合があります。

実は、旧名称にはフィトステロールってのがあったのですが、全成分名称ではなくなって、ダイズステロールになっています。でも、その反面、「フィトステロール」というのが登録されています。

フィトステロール
INCI:PHYTOSTEROLS
定義:
本品は、植物から得られるステロール類の混合物である。

と、なっています。そもそも、フィトとは植物って意味です。和訳するなら「植物ステロール」ってことです。植物性のコレステロールって感じですかね(専門の方へ、ちょっと嘘ついてます 汗)。
そう、植物由来ってことで、ダイズに限らず米ぬかなんかにも含まれます。

イソフラボンは物質名ですが、フィトステロールは総称名です。
物質名とは「シャムネコ」という表現で、総称名とか「猫」って感じです。ですから、フィトステロールと呼ばれる成分は、「β-シトステロール、スティグマステロール、カンペステロール等」と何種類かあります。でも、イソフラボンをフィトステロールと呼ぶとは聞いたことがありません。
構造もちょっと違いますから、結論からすると、
「ダイズステロールは、イゾフラボンではない」
と、言う結論になると思います。

イソフラボン、本当に女性モルモン様作用があるのすねぇ〜。ほぉ〜。


体の部位で吸収は違うの?

今回は、化粧品を使ったデータではないのですが、この薬系を使った実験で、「体の部位で経皮吸収に差があるのか?」というデータを紹介します。

1つは、メチルパラチオンです。メチルパラチオンは極めて有毒な有機リン殺虫剤です。今でも農薬として使用されているようです。
もう1つは、ヒドロキシコルチゾンと言ってステロイドの仲間です。
体の各部位(ヒト)に塗って肌への吸収の割合をみてみました。
(残念ながら、ヒドロキシコルチゾンの手でのデータがなかったです 汗)



共に、腕や脚よりも顔での吸収が大きいことを示しています。

勿論、化粧品原料で考えた場合、成分によって吸収は違うのでしょうけど、同じ成分を使っていても体の部位(顔に使うか、頭に使うか、体に使うか)でしょう。
体の部位によって、角質層の厚さが違うと言われています。その事を考えると、この結果も納得いきます。また、年齢によって、同じ部位でも角質層の厚さが違ってきますから、きっと年齢によっても肌の吸収は違ってくるのでしょうね。
ちょっと驚きの結果でした。


アルコールという表現

アルコールと言うとどういったイメージでしょうかね?一般的には
エタノールのコト!」
と、回答できれば十分です。

しかし、ちょっと化学屋さんは、
「ややこしい表現だなぁ、メチルアルコール(メタノール)のこと?エチルアルコール(エタノール)のこと?どっちだよぉ?」
と、なります。

更に、化粧品やで色々相談にのっていますと、
「難しい表現だなぁ。ステアリルアルコールとかもアルコールの一種にしちゃってないかなぁ」 と、悩みます(笑)

アルコールとは、基本的に、ある成分に水酸基(-OH)が付いたモノです。
CH3にOHが付いて、CH3-OHとなったらメチルアルコール(メタノール)になります。
CH3CH2にOHが付いて、CH3CH2-OHとなったらエチルアルコール(エタノール)になります。
CH3CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2にOHが付いて、
CH3CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH 2CH2CH2CH2CH2-OHとなったらステアリルアルコールになります。
因に
CH3CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2ステアリン酸に当たる部分です(本当はCOOHが付きます)。

エタノールに刺激を感じる方は、「アルコール」という表記に敏感です。そういた方の中には
「ミリスチルアルコールと表記がありますが、大丈夫でしょうか?」
と聞かれる方もいます。大丈夫です。
化粧品に使われるアルコールの内、液状タイプはエタノールだけです(と、思ってOKです。一応、プロパノールとかブタノールとかも登録があり使われるのですが、スプレー缶に入っているタイプになります。)。
ラウリルアルコールとかミリスチルアルコールとかステアリルアルコール、ベヘニルアルコールとかいった「脂肪酸-OH」の形のモノは肌への刺激はエタノール程ありません。ステアリルアルコールは旧表示指定成分に入っていますが、他の脂肪酸のは大丈夫です。基本は「水に溶けないから」です。実際、室温では個体ですしね。

アルコールという表現は様々な誤解を生じますので、「エタノール」とかいう表現がいいですね。


1杯の水を飲もう

夏のシーズンに大きな問題が3つあります。
1つは、オフィスなどの冷房の問題。もう1つは紫外線対策。最後に、クレンジングです。

クールビズという言葉を耳にされることは多くなったのではないでしょうか?
服装だけでなく、オフィスそのものの室温の管理もされて、昔のようにガンガンにクーラーが効いているって状態ではなくなってきましたね。クーラーの効き過ぎは、湿度の低下を招き、肌の乾燥を誘います。どんなに保湿しても追いつかないのは、そういった職場の乾燥が原因だったのかもしれません。

また、夏場の紫外線は肌バリアを傷つけ、肌からの水分の蒸散を促します。日焼けは、黒くなったり、赤くなって火照ったりする炎症ばかりではなくて、肌を乾燥しやすい状態にしていまします。

更に、紫外線対策に使った化粧品を落としたり、夏場の汗にも負けない強いメイクを落とす為に使うクレンジングによって、肌バリアや多くの皮脂が奪われて乾燥したりする経験は多くの方がしているでしょう。

夏場の乾燥肌の原因は、いろいろありますが、重要なのは水分補給。
塗るのも1つですが、「飲む」ことも重要です。喉の乾きに関係なく、寝る前、朝起きて直ぐにコップ1杯の水をお薦めします。
また、昼食後に、1杯水を飲むことも肌の水分回復に大きな効果がありますよ。

だって、職場での化粧水など塗り直しなど実際難しいですものね。


夏場のシャンプートラブル対策

夏場は肌トラブルの多い時期です。特に、シャンプーで痒みを感じる方が多いようです。また、生え際に痒みや赤い吹き出物が生じる方も多いようです。
そこで、今回は、そういったシャンプートラブルの対策です。

みなさん、すすぎはシャワーでしょうか?今やシャワー使用率は、ほぼ100%近いようです。

では、「下向きで洗いますか?上向きで洗いますか?」と聞くとどうでしょう?

「え?上向きで洗うってどうやるの?」
と、思われた方が多いかもしれません。簡単に言えば、ヘアサロンで洗ってくれる時にやってるような感じですかね。ただし、シャワーは自分の手持ちでやります。(笑)

とある報告によりますと、下向きでシャワーされる率は8割で、2割は上向きでシャワーされるようです。因に、わたしも上向きシャワー派です。
実は、下向きでシャワーをすると最後に髪の生え際に洗い残しが生じやすいのです
そこで、すすぎの最後だけ、「上向きですすぎ」を推薦します。そうですね、シャワーを髪の生え際からあてて、髪を掻き揚げるようにすすぎます。これだけで、頭皮の痒みやはえ際の炎症は随分治まります。

次に、すすぎの時間です。夏場は、特にいつもよりも1分長めのすすぎを推薦します。そして、すすぎの最後は、「冷たくない程度のぬるま湯」で10秒すすぎをするのがいいでしょう。
こうするとことで、風呂上がりの後の頭皮の発汗が低くなって痒みが減ります。この頭皮での発汗が後々の痒みや炎症の原因になるのです。
また、最近のドライヤーは「温風」と「冷風」の切り替えがありますよね。髪を乾かすのは「8割乾き」がベストです。でも、それだと頭皮が蒸れて痒みを感いる場合が(特に夏場は)多いです。ですから、「頭皮を冷やす」つもりで、1分程度冷やしてやると、痒みは水分随分治まりますよぉ。

この夏、お試し下さいませませぇ〜。


化粧品以外でのウワウルシエキス

化粧品業界でウワウルシエキスと言えば「美白」で有名ですよね。そこに含まれるアルブチンも有名ですよね。βーアルブチンに関しては、資生堂さんが美白関係で医薬部外品を多く出していますし、その系の特許も多く出されています。一方、αーアルブチンはグリコさんが製品として出して、多くの化粧品で採用されています。いずれのアルブチンも
1)美白効果のデータがある
2)構造はハイドロキノンに糖が付いたモノだか、ハイドロキノンになって美白するのではない
と、しています。

一方!

エスエス製薬株式会社から「ベアベリックス」という尿路を消毒を目的とした「尿路感染の抗菌剤」があります。ドライシロップ剤ってことで飲んで使う薬(漢方薬かな)になります。

わたしも知らなかったのですが、ヨーロッパやイギリスでは、ウワウルシは内服することで、黄色ブドウ球菌や大腸菌増殖阻止作用のあることが認められているそうです(これは、エスエス製薬株式会社HPでも謳っています)。

注意:以下は、エスエス製薬株式会社のHP等では一切謳われていません
先日、ドラッグストアに言ったら、「ベアベリックス」についてこんな宣伝文句がありました。
「内服することにより、ウワウルシ中に含まれるアルブチンが体内でハイドロキノンになって、黄色ブドウ菌等の増殖を防止する抗菌作用があります」
だ、そうです(注意:上記は、エスエス製薬株式会社のHP等では一切謳われていません)。

塗るのと内服するのは、別ですが・・・。どうなんでしょうね?この謳いは?


資生堂ツバキシャンプー

資生堂のツバキシャンプー!快進撃ですね。そこで、ちょっと購入してチェックしてみました!
以下、写真です。500mLボトルも220mLボトルも奇麗な紅色です。形状も異質でわたし的には好感度です。



全成分表示では、
水、ラウレス硫酸Na、ココイルメチルタウリンタウリンNa、ココアンホ酢酸Na、コカミドプロピルベタイン、ジステアリン酸グリコール、DPG、コカミドMEA、ソルビトール、塩化Na、ヒドロキシエチルウレアポリクオタニウム-7、トウツバキ種子油、ポリクオタニウム-61、ジメチコン、クエン酸、ローカストビーンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、(ビスイソブチルPEG-14/アモジメチコン)コポリマー、EDTA-2Na、ラウロイルメチルタウリンNa、ココイルグルタミン酸K、グリセリン、BG、ココイルアルギニンエチルPCA、フェノキシエタノール、安息香酸Na、香料、黄4、黄5
と、なっています。知らない成分がいくつかあります。

まず、ココイルメチルタウリンタウリンNaです。
定義としては「本品は、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンのタウリンナトリウム塩」だそうです。構造上、アミノ酸系界面活性剤で、マイルドだと期待できるのですが、実際に使ったことはないです。おそらく、細かい泡を作るのだと思います。

次が、ヒドロキシエチルウレアです。
化粧品工業会のサイトでも確認できないので、新しい原料なのでしょう。エモリエント剤であるのは分かるのですが、その詳細は不明です。

次が、ローカストビーンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドです。
ローカストビーンガムという天然の高分子を起源にした4級アンモニウムで仕上がりやすすぎに影響するのでしょう。でも、触ったこと・・・というよりも、原料屋から紹介されたこともないです。

更に資生堂さんらしいのは、ポリクオタニウム-7の起用ですね。
パーフェクトホイップという非常に細かい泡質の洗顔料を資生堂さんは作っているのですが、その細かい泡質を作る為の原料が、この「ポリクオタニウム-7」という合成の高分子です。通常、シャンプーの泡を細かくするのは界面活性剤の特徴を生かして調節するのですが、資生堂さんは「ポリクオタニウム-7」を入れることとで細かくします。

また、効果性のある原料としては、リピジュアの一種であるポリクオタニウム-61を起用したり、逆にパラベンはフリーの方向になっています。

新しい原料の採用、高分子原料の起用、効果性の重視と、パラベンフリーへの動向!
資生堂さんらしい処方です。

使用感的には、ラウレス硫酸Na系のシャンプーの中ではすすぎ時の髪のきしみは少なくいい感じですが、瑠璃香のシャンプーに慣れた我が家では「イマイチ」となってしまいました(汗)
いや、決して悪い使用感とは思いませんが・・・瑠璃香のは特殊ですからね。


グリセリンに立ち戻る

現在、新商品開発中です。瑠璃香シリーズになかった保湿面の美容液です。
ヒアルロン酸Naやポリグルタミン酸やリピジュアなどいいモノが沢山あります。
しかし、あえて基本に立ち戻って、グリセリンに着目しています。

通常、グリセリン(濃グリセリン)は、95%モノです。つまり5%違うモノが入っています。それは、水であったり遊離脂肪酸であったり、色々入っています。
実際に、7社程度のグリセリンを取り寄せて比較してみました。
透明度や粘度などはどれも同じ。しかし、実際に使用して、他の成分との相性をみると、意外にも随分違うことがわかりました。特に、アミノ酸やビタミン系との相性は違っていました。

また、グリセリンは、肌に浸透して、高い保湿を維持します。それも、グリセリンによって随分違っていました。2〜3日使ってみると、肌のぷるぷる感が違います。グリセリンは、BGと違って肌の深いトコでたまります。ですから、BGと同じように見えて保湿に関しては随分違うのです。それだからこそグリセリンの品質にこだわってみたいのです。
新商品、お楽しみにしていて下さいね。






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